沖縄で高校卒業後に進学しないという選択|特別支援学校・一般校から就労継続支援B型につなぐ流れをLARGO沖縄が解説
沖縄県内の高校・特別支援学校の高等部を卒業する年、進学や一般就職ではなく「就労継続支援B型事業所に通う」という道を選ぶ方がいます。沖縄市の就労継続支援B型事業所LARGO沖縄にも、毎年、高校3年生のご家族からお問い合わせをいただきます。本記事では、沖縄で高校卒業後に進学しないという選択をする場合に、特別支援学校・一般校それぞれからどのようにB型につなげていくのか、タイミング・手続き・LARGO沖縄での受け入れの実際を精神保健福祉士の視点で整理します。
沖縄で「進学しない」を選ぶとき、迷いが生まれやすい
高校3年生の秋から冬にかけて、進路を決める時期がやってきます。大学・専門学校へ進学する同級生が増えるなかで、「自分は進学はしない」「かといって一般就職も難しい」という方がいます。発達障害・知的障害・精神疾患・難病などで、長時間の学習や面接の場面でしんどさを抱えている方が多い印象です。
沖縄県は全国と比べて4年制大学への進学率が低いという統計がよく知られていますが、同時に、専門学校や短大、就職も含めた進路の選択肢が県内に限られる地域もあります。離島出身の方であれば、本島や県外への移動そのものがハードルになることもあります。「進学しない」という選択自体が珍しいことではない沖縄だからこそ、「じゃあ代わりに何をするのか」という問いが残りやすいのです。
ここで就労継続支援B型事業所は、「働く」の一歩手前にある選択肢として候補に挙がります。障害福祉サービスとして位置づけられ、雇用契約を結ばずに、自分のペースで作業に取り組みながら、生活のリズムや働き続ける体力・心身の安定を整えていく場所です。
「18歳の壁」をやわらげる場として
学校という毎日通う場所がなくなったあと、何にもつながらずに自宅で過ごす期間が長くなると、生活リズムが乱れたり、人と話す機会が減ったりして、次の一歩がどんどん遠くなります。「18歳の壁」と呼ばれるこの時期を、B型事業所に通いながら過ごすことで、社会との接点を保ちながら次の進路を考えられるのは、就労継続支援B型のひとつの意義だと感じています。
特別支援学校の高等部から進む場合
沖縄県内には、特別支援学校の高等部がいくつかあります。知的障害・肢体不自由・病弱など、学校ごとに対象や特色が異なります。高等部では3年間を通じて、作業学習や現場実習、進路学習が計画的に組まれており、進路指導の先生や寄宿舎の支援員がご本人・ご家族と一緒に進路を考えてくれます。
進路相談は3年生の春から
多くの特別支援学校では、2年生の後半から3年生の春にかけて進路の相談が本格化します。この時期に「進学・一般就労・福祉的就労(B型・A型・就労移行)」のおおよその方向性を保護者と共有し、夏から秋にかけて現場実習が組まれていくイメージです。
B型を軸に考える場合、ご家族と学校の進路担当の先生、計画相談支援を担当する相談支援専門員が連携しながら、見学先・実習先を決めていきます。LARGO沖縄にも、特別支援学校の先生や相談支援事業所から見学や実習の打診をいただきます。
卒業後すぐにB型を利用するには
卒業後にそのままB型事業所の利用を開始したい場合、18歳到達後に障害福祉サービスの受給者証を申請する手続きが必要になります。18歳未満のうちは原則として児童福祉法のサービスを使うため、B型の利用開始は18歳の誕生日以降です。多くの方は、高校3年の卒業間際〜卒業後に申請し、4月から利用開始という流れになります。
2025年10月から、就労継続支援B型を新規に利用する際には、原則として「就労選択支援」を先に利用する流れが始まりました。本人の希望や特性、適性を評価したうえで、どの働き方(B型・A型・就労移行・一般就労)が合うかを一緒に考える仕組みです。利用期間は原則1か月(最長2か月)とされており、特別支援学校の高等部卒業の方の場合は、学校での作業学習・現場実習の評価を踏まえて進められる想定になっています。50歳以上の方などは例外に当たる場合がありますが、高校卒業直後の若い方はこの流れを経ることが基本です。詳細は沖縄市役所の障がい福祉課、またはお住まいの市区町村の障害福祉窓口でご確認ください。
一般校(高校・高等専修学校など)から進む場合
一般校に通う方の場合、学校の進路指導で「B型事業所」まで案内されることはそれほど多くありません。進路資料の中心は進学や一般就職なので、ご本人・ご家族が別のルートで情報を集める必要が出てきます。
相談先は「学校の外」になりやすい
一般校から福祉サービスにつなげる場合、学校の進路の先生ではなく、以下のような窓口がはじめの相談先になることが多いです。
- お住まいの市区町村の障害福祉窓口(沖縄市なら沖縄市役所 健康福祉部 障がい福祉課)
- 計画相談支援を行う相談支援事業所
- 医療機関のソーシャルワーカー(精神科・心療内科に通院している方)
- 発達障害者支援センター、保健所、ハローワーク など
一般校に通う方で、「診断名はあるけれど、学校の先生には伝えていなかった」という方もいます。その場合、卒業前の3年生の秋以降に、まず市区町村の障害福祉窓口へご家族と一緒に相談に行き、障害福祉サービスの利用を検討していく流れが現実的です。
障害者手帳や受給者証の準備
一般校から直接B型につなげる場合も、特別支援学校からの場合と同様に、障害福祉サービスの受給者証が必要です。障害者手帳は必ずしも必須ではありませんが、医師の意見書や診断書を使って申請することになります。この手続きには、申請から支給決定までおおむね1〜2か月程度の時間がかかるのが一般的です。日数や判断の内容は、市区町村の決定によります。沖縄市にお住まいの場合、沖縄市役所 健康福祉部 障がい福祉課(〒904-8501 沖縄市仲宗根町26番1号/098-939-1212)が窓口です。
卒業と同時にB型を使い始めたい場合は、「3年生の秋から準備を始める」と考えておくと、無理のないスケジュールになります。就労選択支援を経る時間もふまえると、早めの動き出しが安心です。
LARGO沖縄で高校卒業後の若い方を受け入れるときに大切にしていること
LARGO沖縄には、精神障害・知的障害・発達障害・難病のある方が通っています。高校を卒業したばかりの若い方から、長く地域で暮らしてきた方まで、年齢層にはかなり幅があります。はじめて福祉サービスを使う若い方には、次のような視点で関わるようにしています。
「学校の延長」ではなく、「社会の入口」として
B型事業所は学校ではないので、授業時間割はありません。朝来てから夕方帰るまでの時間を、作業と休憩、支援員との面談などを組み合わせて過ごします。学校との大きな違いは、「出席しないと叱られる」のではなく、「来られない日は一緒に理由を考える」というスタンスにあります。はじめはこの違いに戸惑う方もいますが、少しずつ、自分で自分の体調と相談しながら動くリズムが身についていきます。
作業を選べることが、若い方の安心につながる
LARGO沖縄では、複数の作業の中から本人の希望で選ぶことができます。
- コーヒーの製造から販売まで(BISTARGO COFFEE):袋詰め、パッケージング、カフェでの接客など。焙煎は外部に委託しています。
- 古着の撮影・出品・販売:衣類の検品、撮影、商品ページの作成、梱包・発送など、オンラインショップの運営に関わる一連の作業。
- パソコン作業:データ入力や事務作業の一部。パソコンに触れることが初めてでも大丈夫な作業もあります。
「人と話すのが怖い」なら接客を外して袋詰めやパソコンから、「事務の経験を積みたい」ならパソコン作業を中心にといった組み合わせができます。高校生までは「決められた教科」を全員でこなしてきた方が多いので、「選べる」ということ自体が、若い方にとっては大きな経験になります。
国家資格を持つ支援員と、個別支援計画
精神保健福祉士をはじめとした国家資格を持つ福祉専門職が、ご本人と話し合いながら個別支援計画を作成します。スキルアッププログラムや、しんどさが出てきたときのメンタルケアも、個別の計画の中に位置づけていきます。「3か月後にはこうなっていたい」という目標を小さく設定し、無理のない範囲で積み重ねていく進め方を基本にしています。
利用までの手順(LARGO沖縄の場合)
ご家族からお問い合わせをいただいたあとの流れは、次のようになります。
- お問い合わせ:電話またはウェブからご連絡いただきます。
- 施設見学・面接:LARGO沖縄にお越しいただき、作業の様子をご覧いただきながら、ご本人の希望やこれまでの経緯をお聞きします。ご家族のみでの見学も可能です。
- 実習(最長2週間):実際に通ってみて、作業や雰囲気との相性を確認する期間です。
- 市区町村へ受給者証を申請:ご本人のお住まいの市区町村で、障害福祉サービスの支給申請を行います。就労選択支援を経る場合は、この前後で就労選択支援の利用が入ります。
- 契約・利用開始:受給者証が交付されたら、重要事項説明書と個別支援計画のご説明をしたうえで契約し、利用を開始します。
工賃や送迎・昼食などの運営の詳細は、見学時にご質問いただくのが確実です。見学や面接のご予約は、下記までお気軽にご連絡ください。
よくあるご質問
一度通ってみて合わなかったら、どうなりますか
通い始めてから「作業が合わない」「人数の多い場所がしんどい」といった困りごとが出てくることはよくあります。LARGO沖縄では、作業内容を見直したり、通所の日数・時間を調整したりして、一緒に合う形を探していきます。無理に続けることを目的にしていません。
大学や専門学校に行き直したくなったら
B型を利用しながら、進学や資格取得を考え直す方もいます。これは「後戻り」ではなく、ご本人の人生のタイミングによる変化です。進学の準備が整うまでの間、生活リズムと体調を整える場としてB型を使うという選び方もあります。
保護者だけで見学や相談に行ってもいいですか
もちろん可能です。「本人を連れていくかどうか悩んでいる」というご相談も、ご家族からよくいただきます。見学の内容や雰囲気をご家族が先に把握してから、ご本人に伝えるという段取りを取る方もいらっしゃいます。
まとめ
沖縄で高校卒業後に進学しないという選択をするとき、「空白期間を作らずに、社会との接点を保ちながら次を考える場所」として、就労継続支援B型事業所は選択肢のひとつになります。特別支援学校の高等部からでも、一般校からでも、入口や相談先が少し違うだけで、使えるサービスは変わりません。
大切なのは、3年生の秋〜冬のうちに、市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談を始めておくことです。就労選択支援を経てB型につなげる流れは、2025年10月から標準になりました。早めの動き出しが、卒業後の空白を小さくします。
沖縄市比屋根のLARGO沖縄では、見学・ご相談を随時受け付けています。学校の先生、相談支援専門員、医療機関のソーシャルワーカーからのお問い合わせにも対応しています。
- 住所:〒904-2173 沖縄県沖縄市比屋根3-12-21
- TEL:050-8889-3410 / FAX:050-3101-4435
「進学はしない。でも、何もしない期間を作りたくない」――そのスタートに、お手伝いできることがあると思います。
見学のご相談を受け付けています
「まだ利用するか決めていない」という段階でも構いません。ご質問だけのお問い合わせも歓迎します。ご家族からのご相談も受け付けています。
お問い合わせ先
就労継続支援B型事業所LARGO沖縄
〒904-2173 沖縄県沖縄市比屋根3-12-21
電話:050-8889-3410(タップで発信できます)
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